特定技能

ファクトリーラボ株式会社の代表

山本 陽平

公開日

June 8, 2023

更新日

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特定技能でインドネシア人材を採用する流れ|雇用時の注意点についても解説

目次

人材不足が続く日本では、タイベトナムなど東南アジア諸国の人材を、特定技能ビザで雇用したいと考えている企業が増えてきています。

インドネシアも候補国の一つで、親日的な性格の人が多いことから、インドネシア人材は日本で注目を集めています。

実際にインドネシア人材を採用する場合は、お国柄の違いを踏まえて雇用手続きを進めることが大切です。

この記事では、特定技能ビザでインドネシア人材を採用・雇用する際の流れについて、注意点も含め解説します。

特定技能によるインドネシア人雇用の現状

出入国在留管理庁が公表している「特定技能在留外国人数(令和4年12月末現在)」によると、インドネシア人の特定技能1号在留外国人数の総数は16,327人です。

特定技能1号人材の総数は130,915人ですから、インドネシア人がおよそ12%を占める計算です。

12%という割合は、全体としては2位にカウントされ、フィリピンや中国の人材よりも数が多くなっています。もっとも人数の多い分野は農業の3,436人で、次いで製造3分野が3,390人、介護分野が3,286人と続きます。

ちなみに、特定技能1号在留外国人数がもっとも多い国はベトナムで、総数は77,135人を数えます。

特定技能制度でインドネシア人を採用するメリット

インドネシア人を特定技能ビザで採用するメリットとしては、具体的にどのようなものがあるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。

以下、主なものをご紹介します。

日本に好意的で真面目な人が多い

一概には言えませんが、インドネシア人は総じて日本に好意的であると言われています。インドネシア独立戦争において、軍籍を離れた日本人が独立に協力したなど、親日的な理由は諸説あります。

日本語・日本の文化に興味を持つ人も多く、ジャカルタでは「縁日祭」という日本の祭りのような大イベントが開かれています。そのため、総じて日本に親しみを感じている人が多く、日本語の勉強に積極的な人材・日本語力の高い人材も少なくありません。

また、素直な国民性ということもあり、真面目に作業をこなしてくれるので、仕事を任せやすいでしょう。

平均年齢も29歳と若いため、将来性にも期待が持てるはずです。

 相手を尊重する意識が高い

インドネシア人は、総じて相手を尊重する意識が高いのが特徴です。その理由としては、広大な土地の存在と、多宗教国家である点があげられます。

 インドネシアの土地は広大であり、国土の面積は、日本のおよそ5倍にあたる面積の1,905,000平方キロメートルです。それゆえ、地域で使用されている言語の種類も膨大ですが、公用語としてインドネシア語が制定されており、英語が通用する地域もあります。

 また、インドネシアではイスラム教徒の数が8割以上を占めていますが、キリスト教・ヒンドゥー教・仏教などの信者もいます。宗教信仰の自由が認められていることから、他者に対して寛大であり、相手を尊重する意識が高いのです。

 よく言われることですが、イスラム教徒は朝~夕方にかけて、1日5回の礼拝を行います。仕事時間と被るタイミングは一部のみであり、個人の信仰度の違いによっても習慣は変わってきますが、インドネシア国内の企業は礼拝時間を認めているケースも多く見られます。

インドネシアの宗教事情については、長年インドネシアのアイルランガ大学にて教鞭をとる日本語講師の方から、貴重なお話をいただいております。興味がある方はこちらの記事もぜひお読みください!

【インタビュー】インドネシア人を雇用する際に知っておいていただきたい!大学講師がインドネシアの日本語教育・採用の注意点・就職トレンドについて解説!

採用にあたり政府からの協力を受けやすい

インドネシア政府は、特定技能の送り出しにつき、目標人数を「2023年までに7万人」と定めています。日本政府としては、5年間で最大345,000人の受入見込みを立てているので、インドネシアはその2割に相当する人材の送り出しを実現しようとしていることになります。

残念ながら、2020年から2022年までの間は新型コロナウイルスが猛威をふるったこともあり、目標達成は厳しいかもしれません。

しかし、技能実習生として就労経験のある人材もインドネシアには多いことから、即戦力人材を探すには良い環境が整っていると言えるでしょう。

インドネシア国籍の人材を雇用する企業は、インドネシア政府が管理するオンライン求人・求職マッチングシステム「IPKOL」の使用が強く推奨されています。IPKOLを使用することで、企業は仲介業者を介さず希望者を直接採用できますし、応募者は悪質な仲介業者に騙されないで済むというメリットがあります。ただ、労働者の海外への送り出しを行う職業紹介事業者(P3MI)も存在しており、IKPOLの利用は絶対ではありません。

 現地からインドネシア人を採用する流れ

インドネシア人材を、現地から日本に呼び寄せる場合、概ね次のような流れで受入れを進めます。

①試験合格等

インドネシア人材を特定技能ビザで呼び寄せるためには、人材側が以下2点を満たしている必要があります。

○技能試験・日本語試験に合格しているなど、特定技能に必要な要件を満たしていること
○技能実習2号を修了した人材であること

過去に技能実習2号を良好に修了している人材は、帰国済みの場合でも試験は免除されます。

②雇用契約の締結

インドネシア人材が条件を満たしていることを確認したら、特定技能外国人として雇用契約を結びます。

契約締結後は、受入機関(企業)または提携している登録支援機関によって、事前ガイダンス・健康診断などを実施しなければなりません。

参考記事:【特定技能人材の雇用】登録支援機関の役割や選び方のポイント5つを解説! 

③支援計画の策定

特定技能外国人を雇用するにあたっては、人材が日本で生活するのをサポートするため、法令で定められた支援を行う必要があります。

その支援に関する計画を「支援計画」といい、特定技能人材の職業生活・日常生活・社会生活に関するサポートについて計画を立てます。 

④在留資格認定証明書交付申請

支援計画を立てたら、地方出入国在留管理局・もしくはオンラインで、在留資格認定証明書交付申請を行います。

こちらは、原則として外国人本人による申請が必要なものですが、人材が国外にいる場合、受入機関である企業職員の代理申請となるケースが多く見られます。

⑤ビザ申請・受領

在留資格認定証明書を受け取った後は、他の必要書類と併せて在外公館へ提出し、ビザ申請を行います。在留資格認定証明書は、受入機関から本人に郵送します。

インドネシアで証明書を受領した現地人材は、海外労働者管理システム(SISKOTKLN)への登録を行い、移住労働者証(E-KTKLN)の取得手続きを行います。

在留資格認定証明書・E-KTKLN等の必要書類を持参して、在インドネシア日本大使館にて、日本入国に必要な特定技能ビザを取得します。 

⑥入国・就労開始

正式にビザを取得したら、いよいよ日本への入国となります。

空港到着後、在留カードを発行してもらうことで、特定技能ビザ発行日から有効期限日まで日本で働けるようになります。

なお、特定技能人材のビザ申請について、より詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

参考記事:特定技能(1号・2号)とは?ビザの申請方法と必要な書類を紹介

日本国内にいるインドネシア人を採用する流れ

日本国内にいるインドネシア人を、自社に受入れたい場合は、次のような手順で採用を進めます。

①試験合格等

海外から呼び寄せる場合と同様に、これから採用する予定の外国人が、要件を満たしているかどうかチェックします。

自社ですでに受入れている人材の場合は、大きな問題はないものと推察されますが、社外から人材を採用する場合は、身元の確かな人材を探せるよう人材紹介会社等の利用をおすすめします。

②雇用契約の締結

人材のキャリアや性格などに問題がなければ、雇用契約の締結へと進みます。

国内で人材を確保する場合でも、事前ガイダンスや健康診断などの実施は必要になりますから注意しましょう。

③海外労働者管理システム(SISKOTKLN)に登録

インドネシア人材の採用においては、人材自身でインドネシアの海外労働者管理システム(SISKOTKLN)に登録することを、忘れずに人材側に伝えておきましょう。

SISKOTKLNへの登録そのものは、特定技能ビザ取得に直接関係しませんが、登録がないことにより、将来的に一時帰国後の再入国が認められないなどのリスクが発生する可能性があります。

④在留資格変更許可申請

次に、地方出入国在留管理局・もしくはオンラインで、在留資格変更許可申請を行います。

申請は、基本的に外国人本人が行う形ですが、申請取次者の許可があれば、受入企業・登録支援機関・行政書士による代行も認められています。

在留資格変更申請書の書き方についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

参考記事:在留資格変更許可申請書はどうやって書く?書き方・注意点を紹介

⑤就労開始

無事、特定技能1号へ在留資格が変更できたら、就労開始となります。

注意点として、これまでも特定技能ビザで働いている外国人の場合、再度新しい特定技能ビザの取得が必要です。

また、就労可能期間は「通算で5年」となっていることから、転職で就労可能期間がリセットされない点にも注意しましょう。

特定技能でのインドネシア人の雇用にかかる費用

実際にインドネシア人材を特定技能ビザで雇用する場合、具体的にはどのくらいの費用を想定すればよいのか、気になる方も多いはずです。

以下、主な費用の内訳について解説します。

インドネシア→日本への渡航費

特定技能人材に関しては、受入企業が日本への渡航費を支払う義務はありません。

しかし、求人を出すにあたり、他社との差別化を図る目的で渡航費を負担するケースは多く見られます。

利用する航空会社にもよりますが、概ね4~6万円ほどを想定しておけばよいでしょう。

賃金

特定技能人材に支払う賃金は、自社で「同程度の技能を有する日本人と同等以上」というのが基本ルールです。

福利厚生・賞与・各種手当に関しても、日本人と同等の扱いが求められます。

各種準備

特定技能人材が健康診断を受診する際の費用や、住居手配に関連した費用も、受入企業側が負担します。健康診断に関しては、概ね1~2万円ほどを想定しておきましょう。

住居契約に関しては、自社に社員寮があるかどうかで、負担額が変わってきます。もし、一から住居を手配する場合は、初期費用をすべて負担することになります。

住居に関する事例はこちら ▶【Q&A特集】事例紹介ー特定技能の「住居支援」に関して、私たちはこうやった!

地方出入国在留管理局への申請

地方出入国在留管理局への申請費用について考える際は、行政書士・登録支援機関への委託を想定して算出しましょう。

特定技能は歴史が浅い在留資格のため、相場観がまだ定まっていない状況ですから、大まかに10~20万円といった広い幅でサービスを検討することになるでしょう。

登録支援機関等への手数料支払い

先述した通り、登録支援機関等から支援を受けた際の手数料は、相場観が定まっておらず、手数料が統一されていない状況です。月額制の場合、1人あたり月額15,000~40,000円の場合は多いです。

参考記事:登録支援機関に支払う費用|特定技能外国人を雇うなら押さえておこう!

そのため、複数の登録支援機関から相見積もりを取り、費用とサービスのバランスを判断することをおすすめします。

また、登録支援機関に加えて人材紹介会社を利用する場合、紹介手数料も含めてコストを考える必要があります。

特定技能でインドネシア人を雇用する際の注意点

特定技能人材として、現場にインドネシア人材を配置する際は、お国柄・宗教の違いに配慮しましょう。

以下、雇用時の注意点についてご紹介します。

イスラム教への配慮

個人差はあるものの、インドネシア人の大半はイスラム教を信仰しているため、宗教的習慣を尊重したいところです。具体的には、ラマザンと呼ばれる絶食期間(1ヶ月間)や、豚肉を食べない習慣などを理解して、仕事や社内イベントへの配慮を心がけましょう。

企業側としては、採用前に出身地方・信条などをチェックして、適宜現場のルールに反映させるようにします。

Factorylabは日本で就労経験3年以上の海外人材をご紹介可能なので、日本のルールを理解している人材が多いです。

時間のニュアンスが異なる

日本人は、世界的に見ても稀なレベルで時間厳守が徹底しています。電車のシビアな運行管理に代表されるように、数分でも遅れると「相手の時間を奪ってしまう」という意識が高いため、5分前・10分前行動といった習慣が身に着いている人が多く見られます。

これに対してインドネシアでは、ジャム・カレット(ゴムの時間)と呼ばれるほど、時間感覚が独特です。時間感覚がゴムのように伸び縮みしているため、例えば午前11時に会議の約束をしていた場合、インドネシアでは11:00~11:59を意味するといったイメージです。

よって、期限・納期について理解してもらうためには、事前に説明したり、スケジュールにゆとりを持たせたりする工夫が必要になるでしょう。

まとめ

インドネシア人材は、親日的な面を持ち真面目であることから、将来的に特定技能人材のニーズも高まるものと推察されます。

ネックとなるのが生活・宗教面での配慮ですが、例えば技能実習生など経験者を雇用することで、日本の生活に順応できる人材を確保できます。

Factory labでは、日本で技能実習を経験している、インドネシア特定技能人材のご紹介が可能です。

インドネシア人材に興味があるものの、採用に不安がある経営者の方・人事担当者の方は、ぜひ一度ご相談ください。

ファクトリーラボ株式会社の代表

代表取締役社長

山本 陽平

1990年東京生まれ。2013年上智大学総合人間科学部卒業後、東証1部上場の資産運用会社に入社しコーポレート部門に配属。2017年、外国人採用支援及び技能実習生の推進をしているスタートアップに参画。事業部長として特定技能、技能実習、技術・人文知識・国際業務の人材紹介や派遣事業の展開及び支援を取り仕切る。人的な課題、採用や定着に大きなペインを抱えた製造業に着目し、一貫したソリューションを提供することを目的として2022年にファクトリーラボを設立し代表に就任。