コラム・取材

ファクトリーラボ株式会社の代表

山本 陽平

公開日

May 16, 2023

更新日

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【インタビュー】インドネシア人を雇用する際に知っておいていただきたい!大学講師がインドネシアの日本語教育・採用の注意点・就職トレンドについて解説!

目次

インドネシアは親日国の一つと言われ、日本語を勉強している人数は世界第2位です。

入国管理局の令和4年12月の統計によると、合計13万の特定技能外国人の内、インドネシア人は13%を占めています。インドネシア人にとって、日本はどんな国でしょうか。日本で就職する上で、日本企業が気を付けるべきことはなんでしょうか。

今回はインドネシア出身のGandhiさんにインドネシアの日本語教育、日本で生活する宗教面、生活面のお困り、若者の就職事情などについて最新のトレンドを色々聞きました。

Gandhiさんは高校時代から日本語を学び始め、大学から本格的に日本語を学ぶこととなりました。大学時代には1年間の日本留学も経験し、現在は博士課程2年目に在籍しながら、長年アイルランガ大学にて日本語の大学講師を勤めています。

これからインドネシア人の受け入れを考えている企業様はぜひご一読ください。

日本語教育について

ーーインドネシアは中国に次いで、日本語学習者が多い国です。その背景にはどんな理由があると思いますか。

Gandhi:日本語学科に入学したての学生に聞いたところ、専攻理由はアニメやドラマ、ゲームが好きなのが主な理由です。つまり、日本語を勉強する目的がアニメやゲームの楽しみのためである子が多いようです。また、インドネシアの高校では日本語科目を選択できるため、そのきっかけになることもあります。現在のインドネシアでは、高校から日本語を選択することができます。大体はローマ字版の《みんなの日本語》という教材を使用して勉強します。

さらに、文化祭がきっかけになっている場合もあります。インドネシアの文化祭では、アニメのコスプレをしてくる人が多いため、そこで日本文化に触れ、興味を持った人が日本語を学ぶこともあるようです。

また、15年前に放送されていた「コナン」と「ドラえもん」が日曜日の朝に放送されていたことも、日本語学習のきっかけになった人がいるかもしれません。

以上のように、インドネシアで日本語学習者が多い背景には、ポップカルチャーや教育環境などが関係していると思います。

ーーインドネシア人が日本語を学習する時、どのような点に苦労しますか。

Gandhi:インドネシア人が日本語を学ぶ際に、一番苦労するのは「漢字」です。インドネシア語には漢字がほとんど使用されていないため、日本語の漢字は非常に難しいと感じる人が多いです。教師側も、漢字を教えることが苦手な人が多いようです。 

また、日本語の練習の機会が少ないことも苦労の一つです。日本語を話す練習相手がいないため、日本語を使う機会が少ないのが現状です。

ただし、発音についてはインドネシア語と日本語は近く、発音自体はそれほど難しくありません

ーー日本に留学する大学生はどの程度いるのでしょうか?

Gandhi:私の大学では、日本語学科の学生は約300名いて、年々増えてきています。

その中、岩手大学、千葉大学、名古屋大学、大阪大学、熊本大学と提携しており、毎年5~10名程度の留学生が日本に行っています。ただ、コロナ禍の影響で、今年は少なめになっています。

インタビュー時のZOOM画像
インタビューを快く引き受けてくださったGandhiさん(真ん中下)

インドネシア人を雇う際に宗教文化の注意点

ーー日本の企業がインドネシア人を雇用する際宗教に関する質問がよくあります。宗教面で日本企業が気を付けることはありますか?

Gandhi:インドネシア人の87%はイスラム教(ムスリム)で、まずはムスリムであるかを確認した方がいいです。

ムスリムでしたら、豚肉やアルコールの摂取が禁止されています。しかし、現在の若い世代はあまり気にしない傾向にあります

お祈りに関しては、一日5回のお祈りがあります。勤務時間帯と第3のお祈りの時間が重なってしまいますので、企業側が配慮してくれるとありがたいです。(5回のお祈りはそれぞれファジュル(夜明け)、ズフル(正午過ぎ)、アスル(午後)、マグリブ(日没後)イシャー(夜))

また、断食期間は別の日に振り替えることもできます

ーー日本の会社が寮を提供している場合、イスラム教徒は別々の部屋にした方がいいですか?

Gandhi:異なる宗教を持つ人が同居する場合は、別々の部屋にすることが望ましいですが、みなさんは日本での生活を理解した状態で行きますので、インドネシアと同じように信仰ができないのは理解しています。また、先ほども言った通り、あまり気にしていない人も増えてきましたので、日本の企業にとって、面接時に本人に聞いて、お祈りや食事についての要望を確認することが良いでしょう

インドネシアの就職事情

ーーインドネシアの若者たちは、どのように仕事を探すのでしょうか?

Gandhi:インドネシアの若者たちは、日本と違い、就活時期が決まっているわけではないため、1年中人材募集を探している企業があれば、いつでも就活ができます。

卒業後、すぐに就職するわけではなく、しばらく時間をかけて自分の進むべき道を模索するケースが多いです。

ーー日本で就職するなら、インドネシア人の方が働きやすいと感じる環境を教えてください

Gandhi:インドネシア人にとって、畑や工場、現場など大変そうな職場でも働けます。なぜなら、インドネシアで仕事に就いても、最低賃金で手取り4万円ほどしかもらえず、稼ぎが少ないというのが実情です。

このため、多くの人が日本で働くことを選択しています。日本で働けば、稼ぎも多くなるため、インドネシア人にとっては魅力的な選択肢となっています。

ちなみに、現在の首都ジャカルタにMRTができるなど、インフラ整備が進み、生活が便利になってきています。しかし、首都がカリマンタンに移動することが決まっており、今後も人・モノの流れが変わってくると予想されます。この移動によって、地域の経済や文化にも大きな影響が出ることが予想されます。

編集後記

ベトナムに次いで、特定技能人数が2位を占めているインドネシア人はこれからまた増える見込みです。インドネシアの方は日本語が堪能で、日本に対する好感度が高いので、人手不足に悩んでいる日本企業は選択肢の一つとしてご検討いただければ幸いです。

ファクトリーラボ株式会社の代表

代表取締役社長

山本 陽平

1990年東京生まれ。2013年上智大学総合人間科学部卒業後、東証1部上場の資産運用会社に入社しコーポレート部門に配属。2017年、外国人採用支援及び技能実習生の推進をしているスタートアップに参画。事業部長として特定技能、技能実習、技術・人文知識・国際業務の人材紹介や派遣事業の展開及び支援を取り仕切る。人的な課題、採用や定着に大きなペインを抱えた製造業に着目し、一貫したソリューションを提供することを目的として2022年にファクトリーラボを設立し代表に就任。