特定技能

ファクトリーラボ株式会社の代表

山本 陽平

公開日

July 7, 2023

更新日

シェア:

ミャンマー人を特定技能で雇用する手続きと条件、費用と注意点

目次

本記事では、「特定技能人材」の採用国として注目が高まっているミャンマーについて解説を行います。日本企業からミャンマー人の採用のニーズが高まっているのはなぜなのか。「特定技能」で雇用するためにはどのような手続きが必要なのか。「特定技能」でミャンマー人の採用を検討している方、採用国が決まっていなくてお悩みの方は、是非ご一読ください。

特定技能とは

特定技能」とは、日本人の人材確保が難しい分野において、人手不足に対応するために2019年4月に創設された新しい在留資格です。「外食」、「介護」、「製造」など12分野での外国人が労働者としての受入が認められるようになりました。特定技能で就労する方の国籍を見ていくと中国やベトナム、インドネシア、タイなどの主にアジア出身の方が大半を占めており、2022年12月末時点での全業種での就労者数は、13万人に上ります。その中でミャンマー人は約5,956人となっており、国別で5番目に多い国籍となっております。

特定技能1号在留外国人数
出典:特定技能在留外国人数の公表「出入国管理庁より」

ミャンマー人の「特定技能」での就労者数は2021年12月時点では2,294人でしたが、2022年には5,956人となっており、1年間で増加人数は3,662人、増加率は約2.6倍となっております。

出典:「令和4年12月末の特定技能制度運用状況」について

ミャンマー人が増加している理由

 日本で「特定技能」として、就労を希望するミャンマー人はコロナ以降で急増しております。それには、2021年2月にミャンマーで起きたクーデターが関係しております。ミャンマーでは、クーデター後の1年間の経済成長率では前年と比較して18%下落し、現在でも現地通貨チャットの下落、資源高でインフレ率は2桁を超え、市民の生活は圧迫されている状況です。また経済制裁により外国資本の企業が次々に撤退をし、若年層の人材はミャンマー国内での就労に将来の希望を失っている状況です。そのため、ミャンマーの若者達は、海外への出稼ぎを希望するようになり、日本で「特定技能」として就労を希望する人材が増加しております。

ミャンマー人が「特定技能」で就労するためには

 ミャンマー人が「特定技能」として就労するためには、「技能実習」を修了するか、「特定技能試験」に合格する必要があります。「特定技能試験」に合格すれば、「留学生」でも「特定技能」として就労することが可能です。「特定技能試験」は日本国内だけではなく、海外でも実施され、ミャンマーでは2023年6月時点で「外食」、「介護」、「農業」の試験が実施されております。

海外実施の試験合格者は「技能実習」を修了せずに、「特定技能」として就労することが可能です。

ミャンマー人の雇用には、「ミャンマーにいる人材」と「日本にいる人材」の2つの採用ルートで雇用することが可能です。それぞれ雇用手続きが異なります。

まずは、ミャンマーにいる人材の雇用方法について解説致します。

ミャンマー在住のミャンマー人の雇用手続き

出典:出入国管理庁によるフローチャート 

①ミャンマー労働省による求人票の認証

ミャンマーにいる人材を採用するためには、ミャンマー労働省(MOLIP)に求人票の承認を取得する必要があります。この手続きは、送出機関に限定されているため、必ずミャンマー認定送出機関を利用する必要があります。ミャンマー認定送出機関とは、「ミャンマーにいる人材を日本に送り出すまでの手続き」を行うことが出来る機関となっており、ミャンマー政府から認定された機関のみが取り扱うことが出来ます。下記の一覧の中からいずれかの機関を利用する必要があります。

ミャンマーの送出し機関一覧(出典元:特定技能に関する二国間の協力覚書

②特定技能の在留資格認定申請を行う

MOLIPからの求人票の承認を得た後は、次に日本側での手続きになります。特定技能の申請書類を揃えて、出入国管理庁へ在留資格認定申請を行います。

③海外労働者身分証明カード(OWIC)の申請

在留資格認定証明書が発行された後は、本人に書類を送付します。

その後、本人がMOLIPに海外労働身分証明カード(OWIC)の申請を行うことで、発行されます。

④ビザ申請

OWICが発行された後、在ミャンマーの日本国大使館にビザ申請を行い、特定技能での就労ビザ発給後、入国し、就労となります。

日本在住のミャンマー人の雇用手続き

既に日本にいるミャンマー人の場合は、現地の人材と比べて、かなり簡単です。

①雇用契約の締結

採用したミャンマー人と雇用契約を締結します。特定技能での就労の場合、雇用契約の締結だけでは、すぐに就労が出来ませんので、ご注意ください。 

②パスポートの更新申請

ミャンマー人本人が在日本ミャンマー大使館にてパスポートの更新申請を行う必要があります。

③在留資格変更許可申請

最後に「特定技能」の在留資格変更手続きとなります。「特定技能人材」は、出入国管理庁からの許可を得て、在留資格変更を行った後の就労となります。既に「特定技能」の在留資格で日本就労している人材でも、在留資格変更手続きが必要となります。

「登録支援機関」を利用するメリット

「特定技能人材」の雇用手続きで一番大事な点が「在留資格」を取得するための申請手続きになります。「特定技能」を雇用するためには基本的な要件については、法務省が定めており、「特定技能人材」に対する支援の実施を行うための体制と「支援計画」を作成する必要があります。(詳細記事:特定技能に関するビザの申請方法と必要な書類を紹介

この支援体制については、「登録支援機関」に委託をすることが可能となっており、「登録支援機関」に委託をすることで、手続きをスムーズに行うことが出来ます。

(詳細記事:登録支援機関の役割や選び方のポイント5つを解説

「登録支援機関」を利用することで、書類作成や申請の手続きの工数を削減することが可能です。「登録支援機関」は、手続きだけではなく、雇用後の外国人の定着支援やトラブル対応に関するノウハウがあり、サポートに長けています。「登録支援機関」に相談することで、企業も人材も安心して就労出来る体制を構築できることが、「登録支援機関」を利用する最大のメリットです。

まとめ

今回は、「特定技能」の採用国として注目が高まるミャンマーについて解説させて頂きました。弊社では、ミャンマー人の人材募集から特定技能の申請、雇用後の支援まで一貫してサポートをすることが可能です。「特定技能人材」の雇用には、人材定着という課題がつきものです。「人材の長期定着」に向けてFactory labが伴走し、サポート致します。

ミャンマー人を採用したい方や国の選定に迷われている方はぜひ、一度、Factorylabにお気軽にお問合せください。 

ファクトリーラボ株式会社の代表

代表取締役社長

山本 陽平

1990年東京生まれ。2013年上智大学総合人間科学部卒業後、東証1部上場の資産運用会社に入社しコーポレート部門に配属。2017年、外国人採用支援及び技能実習生の推進をしているスタートアップに参画。事業部長として特定技能、技能実習、技術・人文知識・国際業務の人材紹介や派遣事業の展開及び支援を取り仕切る。人的な課題、採用や定着に大きなペインを抱えた製造業に着目し、一貫したソリューションを提供することを目的として2022年にファクトリーラボを設立し代表に就任。