特定技能

ファクトリーラボ株式会社の代表

山本 陽平

公開日

July 4, 2023

更新日

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外食業の特定技能|受入条件や従事する業務・雇用の流れなどを解説

目次

2019年4月に新しい在留資格「特定技能」が創設され、「人手不足に対応するための外国人受入」が本格化しました。人材確保に悩む外食企業にとっては、フルタイムで就労可能な外国人材を日本全国や海外から採用出来るようになった点が最大のメリットです。

本記事では、「特定技能(外食)」が認められた背景と特定技能外国人を雇用するための要件について、解説をしていきます。

特定技能とは

「特定技能」とは、日本人の人材確保が難しい分野において、人手不足に対応するために2019年4月に創設された新しい在留資格です。「外食業」の他に「建設業」や「製造業」など12分野での外国人が労働者としての受入が認められるようになりました。外食業では2019年12月末時点では1,985人でしたが、1年後には5,195人となり、3,210人の増加で、2.6倍と急増しております。

分野別特定技能在留外国人数の推移表
出典:特定技能制度運用状況

外食業で特定技能が認められた背景

農林水産省では、外食業の人手不足を特定技能外国人で充足させる必要性に対し、以下の見解を示しております。

・外食業における有効求人倍率は、全産業平均に比べると高い。
・外食業分野においては、増加するインバウンド等への対応が求められる中で、手作り感やホスピタリティといった外食業ならではの価値を作り出すことが求められること、状況に応じて、臨機応変に作業内容を変える判断が必要となること等から、機械化による省力化にも限りがあり、外国人を含め、必要な人材を確保していくことが急務。

引用元:外食業分野における特定技能外国人制度について:農林水産省

実際に、令和5年4月統計の有効求人倍率では、飲食物調理の職業では約2.92倍、接客・給仕の仕事では3.29倍となっております。全産業の平均有効求人倍率の1.22倍と比較すると、高い数字となっており、従来の人材募集では、人材の確保が困難な状況であると言えます。

新規求人
有効求人
新規求職
有効求職
紹介件数
就職件数
新規求人倍率
有効求人倍率
飲食物調理の職業
44,260
137,980
11,680
47,25312,0515,4713.792.92
接客・給仕の職業
32,155
96,635
6,80129,4135,8202,1104.733.29
職業計
805,234
2.335,626
412,1231,914,426409,381137,2291.951.22

参考元:一般職業紹介事業(令和5年3月分及び令和4年度分)について

これまで外食業の外国人雇用は「留学生」によるアルバイト雇用が大半でしたが、留学生は「週28時間」の就労制限があるため、「人手不足のための人材確保」の手段としては、不十分でした。「特定技能(外食業)」では、「フルタイムで雇用可能な人材」を日本全国や海外から採用し、呼び寄せて雇用させることが可能なため、新たな人材確保の手段としてニーズが高まっております。

人材が「特定技能(外食)」で就労する要件とは

外国人材が「特定技能(外食)」で就労するためには一定の知識や日本語能力を有している必要があり、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。

①特定技能試験の合格「外食業特定技能1号技能測定試験」と「日本語能力試験」の両方に合格
②3年以上の技能実習を良好に修了外食業への移行対象は「医療・福祉施設給食製造職種」のみ
  ※多職種の技能実習修了者でも「外食業特定技能1号技能測定試験」に合格すれば可能

 ①特定技能試験の合格

・外食業特定技能1号技能測定試験の合格

一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)が主催する「外食業特定技能1号技能測定試験」の学科試験と実技試験の両方に合格する必要があります。

学科試験は、以下の3つの項目と内容から出題されます。

項目
主な内容
衛生管理
・一般衛生に管理に関する知識
・HACCPに関する知識
・食中毒に関する知識
飲食物調理
・調理に関する知識
・食材に関する知識
・調理機器に関する知識
接客全般
・接客サービスに関する知識
・食の多様化に関する知識
・クレーム対応に関する知識

実技試験の項目と内容は「学科試験」と同じですが、「判断試験」と「計画立案」の試験内容になります。

項目内容
判断試験図やイラスト等を見て、正しい行動がどれかを選択する試験
計画立案計算式を使って、作業の計画となる技能水準を作ることが出来るかを判断する試験

これらの試験については、国内および国外で実施されています。

 ・日本語能力試験

日本語能力試験は、以下のいずれかの試験に合格する必要があります。

試験名合格基準
日本語能力試験試験(JLPT)
N4以上
国際交流基金日本語基礎テスト(Jft-Basic)
A2以上

技能測定試験と日本語能力試験の合格によって、「特定技能」として外食業で就労することが可能となります。「留学生」も上記の試験の合格により、「特定技能」として就労することが可能です。

②3年以上の技能実習を良好に修了

「医療・福祉施設給食製造」の技能実習を3年修了した人材は、「外食業特定技能1号技能測定試験」と「日本語能力試験」の合格が免除され、「特定技能(外食業)」で就労可能です。また、それ以外の職種の技能実習生でも「外食業特定技能1号技能測定試験」に合格すれば、就労可能です。その場合、「日本語能力試験」は免除されます。

受入可能な事業所と従事させられる業務

受入可能な事業所は以下の事業所となり、飲食物の調理、接客、店舗管理の業務に従事させられることが出来ます。

事業所
①客の注文に応じ、飲食料品を調理し、その場で飲食させる飲食サービス業食堂、レストラン、喫茶店、ホテル等の施設内レストラン等
②客の注文に応じ調理した飲食料品を提供する持ち帰り飲食サービス業持ち帰り専門店等
③客の注文に応じ、調理した飲食料品を客の求める場所に届ける配達飲食サービス業仕出し料理、弁当屋、宅配専門店、配食、サービス事業所等
④客の注文に応じ、飲食料品の提供を行う飲食サービス業ケータリングサービス店、給食事業所等

また、外食業に関わる関連業務として、以下の業務でも従事させることも可能です。

【関連業務】
・店舗において原材料として使用する農林水産物の生産
・調理した飲食料品の配達(デリバリーやケータリング)
・飲食料品以外の物品の販売

「風俗営業」及び「性風俗関連特殊営業」を営む営業所での就労は不可となります。

受入機関としての要件を満たす

特定技能人材を雇用するためには、受入企業が特定技能を受入れるための要件を満たす必要があります。定められた支援に対する体制の確立、計画書の作成、特定技能人材に対する支援の実施、出入国管理庁への定期報告等が必要となります。自社で整備することが難しい場合は、「登録支援機関」に委託をすることで、雇用することが可能です。

雇用後は協議会への加入

特定技能外国人が入社後4ヶ月以内に、食品産業特定技能協議会へ加入手続きを行う必要があります。

食品産業特定技能協議会への申請は、フォームからオンラインで可能です。

申請後、事務局から届くメールに対し、出入国在留管理庁に提出した「特定技能受入に関する誓約書」の写しを添付し、返信することで、手続き完了となります。

食品産業特定技能協議会は特定技能制度を適切な運用を統括する機関になります。そのため、食品産業特定技能協議会は、必要に応じて、受入企業に協力を求める場合がありますので、その場合は対応をする必要があります。

まとめ

今回、「特定技能(外食)」におけるに関する制度や就労可能な人材、企業の受入れ要件などについて、説明してまいりました。「特定技能(外食)」の募集は今までの日本人の募集とは異なり、遠方に住む人材の採用、雇用が可能なことが大きな特徴です。人材募集にお悩みの企業様は是非、特定技能人材の採用をご検討してみてはいかがでしょうか。

弊社では、外食業における特定技能外国人の募集、在留資格取得のサポート、雇用後の支援業務によるアフターフォローの体制が整っており、人材の定着に向けて、Factory labが企業と人材と共に伴走し、支援致します。

特定技能人材の雇用を検討されている企業様や人材の定着に課題を感じられている企業様は是非、お気軽にFactory labにご相談ください。

ファクトリーラボ株式会社の代表

代表取締役社長

山本 陽平

1990年東京生まれ。2013年上智大学総合人間科学部卒業後、東証1部上場の資産運用会社に入社しコーポレート部門に配属。2017年、外国人採用支援及び技能実習生の推進をしているスタートアップに参画。事業部長として特定技能、技能実習、技術・人文知識・国際業務の人材紹介や派遣事業の展開及び支援を取り仕切る。人的な課題、採用や定着に大きなペインを抱えた製造業に着目し、一貫したソリューションを提供することを目的として2022年にファクトリーラボを設立し代表に就任。